2019年04月02日

民法1−24 所有権 行政書士試験過去問 2006年問29

所有権の原始取得に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。




1、AはB所有の土地をBの所有であると知りつつ、所有の意思をもって、平穏かつ公然に10年間占有した場合に、その土地の所有権を取得する。

2、Aの所有する動産とBの所有する動産が付合して分離することが不可能となった場合において、両動産について主従の区別をすることができないときには、AとBは、当然に等しい割合で、その合成物を共有することになる。

3、BがAの所持する材料に工作を加えて椅子を完成させた場合に、その椅子の所有権は、ABの取り決めに関係なく、Aに帰属する。

4、Bの所有する動産がAの所有する不動産に従として付合した場合は、AとBは、A、Bの取り決めに関係なく、Aの不動産の価格とBの動産の価格の割合に応じて、その合成物を共有する。

5、Aは、所有者のいない動産を所有の意思をもって占有を始めた場合に、その動産の所有権を取得する。










胡桃「これは基本的な条文の知識を問うだけの簡単な問題だわ」

建太郎「うん。そうだな」

胡桃「まず、1はどうかしら?」

建太郎「次の条文の問題だな」




(所有権の取得時効)

第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。




建太郎「2項の短期の取得時効を成立させるためには、占有の初めに、善意であり、かつ、無過失でなければならなかった」

胡桃「そうね。2はどうかしら?」

建太郎「付合物の問題だな。当然に等しい割合で、その合成物を共有するの部分が間違いだ」




(動産の付合)

第二百四十三条 所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。




第二百四十四条 付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。




建太郎「正しくは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。だな」

胡桃「3はどうかしら?」

建太郎「次の条文の問題だな」




(加工)

第二百四十六条 他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。

2 前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。




建太郎「設問の場合は、Aが所有するのが原則だけど、ABの取り決めに関係なく、という部分が間違いだ」

胡桃「そうね。民法のこの条文は任意規定だということね。4はどうかしら?」

建太郎「次の条文の問題だな」




(不動産の付合)

第二百四十二条 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。




建太郎「不動産に動産が従として付合した場合は、不動産の所有者が取得するのが原則だ」

胡桃「そうね。5はどうかしら?」

建太郎「この条文だな」




(無主物の帰属)

第二百三十九条 所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。

2 所有者のない不動産は、国庫に帰属する。




建太郎「動産は、占有すればその時点で所有権を取得できる」

胡桃「そうね。不動産との違いを比較しておいてね」

建太郎「OK」

胡桃「というわけで答えは?」

建太郎「5だな」





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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 21:58| 行政書士試験過去問