2019年04月15日

民法1−31 担保物権 行政書士試験過去問 2004年問31

民法の抵当権に関する規定ついては、近時、改正がなされた。次の抵当権に関する記述は、改正のあった項目であるが、改正後の規定に照らして誤っているものはどれか。




1、根抵当権者は、元本確定期日の定めがある場合を除き、いつでも担保すべき元本の確定を請求することができ、この請求があった時には、その請求の時に、担保すべき元本が確定する。

2、抵当権者に対抗することができない賃貸借に基づく抵当建物の占有者が、競売手続きの開始前より、その建物を使用または収益をなしているときは、建物占有者は、建物の競売による買い受けの時から、6か月間は、買い受け人に対して建物を引き渡すことを要しない。

3、抵当不動産について、所有権を取得した第三者は、抵当権者に対して抵当権消滅請求をすることができるが、抵当権者はこれに対して、抵当権消滅請求を受けた後、2か月内に、通常と同様の手続きで競売の申し立てをすることができる。

4、抵当権設定後に、抵当地に、建物が築造された場合に、その建物が抵当権設定者以外の者によって、築造されたときは、土地の抵当権者は、抵当地とともに一括して、その建物を競売することはできない。

5、登記された賃貸借は、その登記前に抵当権の登記をしている抵当権者のすべてが、その賃借権に対抗力を与えることに同意し、かつ、その同意の登記がある時は、その同意した抵当権者に対抗することができる。










胡桃「これは条文の知識を問うだけの問題だわ」

建太郎「近時、改正がなされた。っていつの話?」

胡桃「平成15年だわね。占有屋対策として抵当権の規定に手入れがなされたのよ」

建太郎「俺たちがまだ小学生のころの話じゃないか! 近時じゃねえよ」

胡桃「出題当時は近時だったということよ。ということは、今行われている債権法分野の改正についても試験で問われる可能性が高いということよ」
胡桃「まず、1はどうかしら?」

建太郎「条文そのままだな」




(根抵当権の元本の確定請求)

第三百九十八条の十九 根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。

2 根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。

3 前二項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。




胡桃「2は、どうかしら?」

建太郎「条文そのままだな」




(抵当建物使用者の引渡しの猶予)

第三百九十五条 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。

一 競売手続の開始前から使用又は収益をする者

二 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者

2 前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその一箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。




胡桃「3はどうかしら?」

建太郎「第三百八十四条1項一号に、『一 その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき。』とあるとおりだな。逆に言えば、抵当権者は、二箇月以内に抵当権を実行できるということだ」




(債権者のみなし承諾)

第三百八十四条 次に掲げる場合には、前条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、抵当不動産の第三取得者が同条第三号に掲げる書面に記載したところにより提供した同号の代価又は金額を承諾したものとみなす。

一 その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき。

二 その債権者が前号の申立てを取り下げたとき。

三 第一号の申立てを却下する旨の決定が確定したとき。

四 第一号の申立てに基づく競売の手続を取り消す旨の決定(民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条第三項若しくは第六十八条の三第三項の規定又は同法第百八十三条第一項第五号の謄本が提出された場合における同条第二項の規定による決定を除く。)が確定したとき。




胡桃「そうね。4はどうかしら?」

建太郎「この場合は、法定地上権が成立しないから、一括競売が認められているよな」




(法定地上権)

第三百八十八条 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。




(抵当地の上の建物の競売)

第三百八十九条 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。

2 前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。




胡桃「5はどうかしら?」

建太郎「条文そのままだな」




(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力)

第三百八十七条 登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。

2 抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。




胡桃「というわけで答えは?」

建太郎「4だな」




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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 20:04| 行政書士試験過去問