2019年04月26日

民法1−39 債権総論 行政書士試験過去問 2005年問27

債権者代位に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らして妥当でないものの組み合わせはどれか。




1、著名な陶芸家の真作とされた陶器がABCに順次売買され、後にこれが贋作と判明した場合において、無資力であるBがその意思表示に要素の錯誤があると認めているときに、B自ら無効を主張する意思がなくても、Cは、Bに対する売買代金返還請求権を保全するために、Bの意思表示の錯誤による無効を主張して、BのAに対する売買代金返還請求権を代位行使することができる。

2、債権者Aは、Bに対する金銭債権を保全するため、BのCに対する動産の引き渡し請求権を代位行使するにあたり、Cに対して、その動産をBに引き渡すことを請求することはできるが、直接自己に引き渡すことを請求することはできない。

3、不動産がABCに順次売買され、それらの所有権移転登記が未了である間に、Dが原因証書等を偽造して、同一不動産につき、AからDへの所有権移転登記を経由してしまった場合は、CはBの債権者として、BがAに代位してDに対して所有権移転登記の抹消請求権を行使することができる。

4、AはBから同人所有の建物を賃借する契約を締結したが、その建物の引き渡しが行われていない状況の下で、それをCが権原なくして占有した場合において、Aが自己の借地権を保全するために、Bに代位して、Cに対して、建物の明け渡し請求をするときは、Aは、建物を直接自己に引き渡すよう請求することができる。

5、自動車事故の被害者Aは、加害者Bに対する損害賠償債権を保全するために、Bの資力がその債務を弁済するのに十分であるか否かにかかわらず、Bが保険会社との間で締結していた自動車対人賠償責任保険契約に基づく保険金請求権を代位行使することができる。










胡桃「これは債権者代位ができるかどうかの基本的な問題だわ」

建太郎「うん。簡単だな」
胡桃「まず、条文を確認しておくわよ」




(債権者代位権)

第四百二十三条 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。

2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。




胡桃「1はどうかしら?」

建太郎「判例そのままの事例だな。債権者代位ができる」

胡桃「判例を確認しておくわよ」




第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、表意者みずからは該意思表示の無効を主張する意思がなくても、右第三者は、右意思表示の無効を主張して、その結果生ずる表意者の債権を代位行使することが許される。




胡桃「2はどうかしら?」

建太郎「動産の場合は、直接自己への引き渡しも請求できるよな。さもないと、債務者が受け取りを拒否した場合、代位権を行使した意味がなくなってしまうから」

胡桃「そうね。3はどうかしら?」

建太郎「代位権の代位行使が認められるかどうかの問題だな」

胡桃「そうよ。どう考えるべきかしら?」

建太郎「もちろん、認められるよな」

胡桃「判例も、債権者は、債務者に代位してその債務者に属する代位権を行使することができる。としているわ。次、4はどうかしら?」

建太郎「正しいな。判例そのままの事例だ」

胡桃「判例を確認しておくわよ」




建物の賃借人が、賃貸人たる建物所有者に代位して、建物の不法占拠者に対しその明渡を請求する場合には、直接自己に対して明渡をなすべきことを請求することができる。




胡桃「5はどうかしら?」

建太郎「保険金請求権を代位行使するには、債務者の資力が不十分な場合に限られるよな」

胡桃「そうね。判例も次のように判示しているわ」




交通事故による損害賠償債権を有する者がその債権を保全するため民法四二三条一項本文により債務者の有する自動車対人賠償責任保険の保険金請求権を行使するには、債務者の資力が債権を弁済するについて十分でないことを要する。




胡桃「というわけで答えはどれかしら?」

建太郎「妥当でないのは、2と5だな」




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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 20:21| 行政書士試験過去問