2019年05月15日

民法1−42 債権総論 行政書士試験過去問 2011年問31

連帯債務、連帯保証に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。




1、連帯債務において、連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合は、その連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者は相殺を援用することができる。これに対し、連帯保証において、主たる債務者が債権者に対して債権を有する場合は、連帯保証人は主たる債務者が債権者に対して有する債権による相殺をもって、相殺適状にあった全額について、債権者に対抗することができる。

2、連帯債務において、債権者が、連帯債務者の一人に対して債務を免除した場合は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者は、債務を免れる。これに対し、連帯保証において、債権者が連帯保証人に対して、債務を免除した場合は、主たる債務者は、その債務の全額について、免れることはない。

3、連帯債務において、連帯債務者の一人のために、消滅時効が完成した場合は、他の連帯債務者は、これを援用して時効が完成した債務の全額について、自己の債務を免れることができる。これに対し、連帯保証において、連帯保証人のために時効が完成した場合は、主たる債務者は、これを援用して債務を免れることはできない。

4、連帯債務において、債権者が連帯債務者の一人に対してした債務の履行の請求は、他の債務者にも効力を生じる。これに対し、連帯保証において、債権者が連帯保証人に対してした債務の履行の請求は、主たる債務者に対して効力が生じることはなく、主たる債務の時効は中断しない。

5、連帯債務において、連帯債務者の一人が債務の全額を弁済した場合には、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対して、各自の負担部分に応じて、求償することができる。これに対し、連帯保証においては、連帯保証人の一人が債務の全額を弁済した場合は、他の連帯保証人に対して求償することはできない。










建太郎「むむっ……。やたらと問題文が長いな」

胡桃「でも、聞いていることは条文レベルよ」
胡桃「まず、1はどうかしら?」

建太郎「条文そのままだな。まず、連帯債務について」




(連帯債務者の一人による相殺等)

第四百三十六条 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。

2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる。




建太郎「それから、連帯保証については次の通り」




(主たる債務者について生じた事由の効力)

第四百五十七条 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。

2 保証人は、主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗することができる。




胡桃「2はどうかしら?」

建太郎「連帯債務については、正しいよな」




(連帯債務者の一人に対する免除)

第四百三十七条 連帯債務者の一人に対してした債務の免除は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者の利益のためにも、その効力を生ずる。




建太郎「それから、連帯保証についても正しいな。連帯保証人には、負担部分がないから、免除しても、主たる債務者には、何らの影響もないと」




胡桃「3はどうかしら」

建太郎「うん。これも正しいよな」

胡桃「ぶぷー。間違いよ」

建太郎「えっ? どこか間違っている?」

胡桃「問題文をよーく読みなさいね」

建太郎「他の連帯債務者は、これを援用して時効が完成した債務の全額について……。ここが間違いなのか、債務の全額じゃなくて、その連帯債務者の負担部分について債務を免れるとするのが正しいと」

建太郎「そうよ。条文を確認するわよ」




(連帯債務者の一人についての時効の完成)

第四百三十九条 連帯債務者の一人のために時効が完成したときは、その連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者も、その義務を免れる。




胡桃「連帯保証についてはどうかしら?」

建太郎「保証債務について時効が完成しても負担部分がゼロだから、主たる債務に影響はないよな」

胡桃「4はどうかしら?」

建太郎「連帯債務についてはその通りだな」




(連帯債務者の一人に対する履行の請求)

第四百三十四条 連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。




建太郎「それから、連帯保証人に対する請求でも、主たる債務の事項が中断するんだよな」




(連帯保証人について生じた事由の効力)

第四百五十八条 第四百三十四条から第四百四十条までの規定は、主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合について準用する。




胡桃「その通りよ。債権者の立場に立って考えれば、当然だとわかるわね。5はどうかしら?」

建太郎「連帯債務についてはその通りだな」




(連帯債務者間の求償権)

第四百四十二条 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分について求償権を有する。

2 前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。




建太郎「連帯保証についても、連帯保証人が複数いる場合は、各自の負担部分という概念を考えることができるから、その分に応じて、求償できることになっているんだよな」

胡桃「そうね。次の条文によって、第四百四十二条が準用されるということね」




(共同保証人間の求償権)

第四百六十五条 第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。

2 第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。




建太郎「うん。OK」

胡桃「いうわけで答えは?」

建太郎「1、2の二つだな」




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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 22:03| 行政書士試験過去問