2019年06月06日

民法1−56 債権各論 行政書士試験過去問 2011年問32 #行政書士試験

契約類型に応じた契約解除の相違に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当ではないものはどれか。




1、贈与契約において、受贈者が、受贈の見返りとして贈与者を扶養する義務を負担していたにもかかわらず、この扶養する義務の履行を怠るときは、贈与者は、贈与契約を解除することができる。

2、売買契約において、買主から売主に解約手付が交付された場合は、売主が売買の目的物である土地の移転登記手続き等の自己の履行に着手したときは、売主は、まだ履行に着手していない買主に対しても、手付倍返しによる解除を主張することはできない。

3、賃貸借契約において、賃借人の賃借物に対する使用方法が著しく信頼関係を破壊するものである場合には、賃貸人は、催告を要せず、直ちに、契約を解除することができる。

4、委任契約において、その契約が受任者の利益のためにもなされた場合であっても、受任者が著しく不誠実な行動に出た等のやむを得ない事情があるときは、もちろん、また、そのような事情がない時でも、委任者が、解除権自体を放棄したと解されないときは、委任者は、自己の利益のために、なお、解除権を行使することができる。

5、建物の工事請負契約において、工事全体が未完成の間に、注文者が、請負人の債務不履行を理由に契約を解除する場合は、工事内容が可分であり、しかも当事者が既施工部分の給付に際し、利益を有するときは、既施工部分については、契約を解除することができず、未施工部分について契約の一部解除をすることができるにすぎない。










胡桃「これも判例の知識があれば解ける問題だわね」

建太郎「おう。簡単だな」

胡桃「1はどうかしら?」

建太郎「その通りでいいよな」

胡桃「2はどうかしら?」

建太郎「間違い。相手方が履行に着手していなければ、自分が履行に着手していたとしても解除できるよな」

胡桃「判例を確認しておくわよ」




・解約手附の授受された売買契約において、当事者の一方は、自ら履行に着手した場合でも、相手方が履行に着手するまでは、民法第五五七条第一項に定める解除権を行使することができるものと解するのを相当とする。(最判昭和40年11月24日)




※(手付)

第五百五十七条 買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。

2 第五百四十五条第三項の規定は、前項の場合には、適用しない。




胡桃「3はどうかしら?」

建太郎「正しいよな」

胡桃「判例の事例を確認しておくわよ」




・土蔵造り瓦葺二階建家屋(建坪六坪)の賃借人が賃貸人所有の右敷地またはこれに隣接する同人所有地上に木造瓦葺二階建居宅一棟(建坪約六坪)を無断で建増ししたような場合においては、賃貸人は著しい不信行為のなれたことを理由として催告なしに賃貸借契約を解除することができる。




胡桃「4はどうかしら?」

建太郎「委任契約って、ついでも理由なく解除できるんだよな」




(委任の解除)

第六百五十一条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。

2 当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。




胡桃「そうね。判例を確認するまでもなく正しいとわかるわね。とりあえず、判例を確認しておくわよ」




・受任者の利益のためにも締結された委任契約であつても、その契約において委任者が委任契約の解除権自体を放棄したものとは解されない事情がある場合は、委任者は、やむをえない事由がなくても、民法六五一条に則り右契約を解除することができる。




胡桃「5はどうかしら?」

建太郎「建物の請負契約は、解除できないんだよな」




第六百三十五条 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。




胡桃「そうね。ただ、工事内容が可分の場合は、未施工部分について契約の一部解除をすることができるとするのが判例よ。問題文は、判例そのままだから、確認しておいてね」

建太郎「おう」

胡桃「というわけで答えは?」

建太郎「2だな」



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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 21:05| 行政書士試験過去問