2019年07月31日

行政法1−3 行政法総論 行政書士試験過去問 2010年問10 #行政書士試験

次の記述のうち、正しいものはどれか。




1、自作農創設特別措置法に基づく農地買収処分は、大量の事務処理の便宜上、登記簿の記載に沿って買収計画を立てることが是認されており、また、この場合、民法の対抗要件の規定が適用されるので、仮に当該買収処分の対象となる土地の登記簿上の農地所有者が真実の所有者でないにしても、真実の所有者は、当該処分を是認しなければならない。




2、公営住宅の使用関係については、公営住宅法及びこれに基づく条例が特別法として、民法、借地借家法に優先して適用されるが、公営住宅法、条例に特別の定めのない限り、原則として一般法である民法、借地借家法の適用があり、その契約関係には信頼関係の法理が適用される。




3、普通地方公共団体が当該地方公共団体の関連団体と契約を結ぶ場合、当該地方公共団体を代表するのは長であり、また相手方である団体の代表が地方公共団体の長であるとしても、そのような契約の締結はいわば、行政内部における機関相互間の行為と同視すべきものであるから、民法が定める双方代理の禁止の規定の適用はない。




4、租税滞納処分における国と相手方との関係は、一般統治権に基づく権力関係であるから、民法の対抗要件の規定は、適用されず、したがって、仮に滞納処分の対象となる土地の登記簿上の所有者が真の所有者でないことを所轄税務署においてたまたま把握していたとしても、滞納処分を行うことに何ら妨げとならない。




5、農地買収処分によって、国が対象となった土地の所有権を取得した後、第三者が相続により当該土地を取得したとして、移転登記を済ませたとしても、買収処分による所有権取得について、民法の対抗要件の規定は適用されないから、当該第三者は、当該土地所有権の取得を国に対して対抗できない。




胡桃「どういう問題か分かるわね」

建太郎「全部判例の問題だな」

胡桃「そうね。だからこそ、行政法では、判例を理解して覚えることが重要なのね」

胡桃「まず、1はどうかしら?」

建太郎「次の判例の問題だな」




自作農創設特別措置法による農地買収処分については、民法第一七七条は適用がない。(最大判昭和28年2月18日)




建太郎「つまり、設問は、民法の対抗要件が適用されるとしている部分が間違いだ」

胡桃「そうね。すると、次のように考えるということね」




買収計画に対して真実の所有者が自作法に規定せられた異議を述べるときは、この計画の実施者たる農地委員会は、その異議者が真実の所有者なりや否やの事実を審査して、その真実の所有権の所在に従つて、買収計画を是正すべきものであつて、同委員会は、民法一七七条の規定に依拠して、異議者がその所有権の取得についての登記を欠くの故を以て、その異議を排斥し去ることは許されない。(最大判昭和28年2月18日)




建太郎「真実の所有者としては異議をとなえることができるということだな」

胡桃「次、2はどうかしら?」

建太郎「正しいな。次の判例のとおりだ」




公営住宅の入居者が公営住宅法二二条一項所定の明渡請求事由に該当する行為をした場合であつても、賃貸人である事業主体との間の信頼関係を破壊するとは認め難い特段の事情があるときは、事業主体の長がした明渡請求は効力を生じない。(最判昭和59年12月13日)




建太郎「信頼関係の法理が適用されるということだな」

胡桃「3はどうかしら?」

建太郎「間違いだな。民法の双方代理の規定が適用される」




普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結には,民法108条が類推適用される。(最判平成16年7月13日)




胡桃「そうね。この判例は、その続きも押さえておくのよ」

建太郎「議会が追認すればOKだということだな」




普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表するとともに相手方を代理し又は代表して契約を締結した場合において,議会が長による上記行為を追認したときは,民法116条の類推適用により,当該普通地方公共団体に法律効果が帰属する。(最判平成16年7月13日)




胡桃「そのとおりよ。次、4はどうかしら?」

建太郎「間違いだな。民法の規定が適用される」




国税滞納処分による差押については、民法第一七七条の適用があるものと解すべきである。(最判昭和31年4月24日)




胡桃「もっとも設問の事例はどう考えればいいか分かっているわね」

建太郎「差押えをしても問題ないと。判例は次のように述べているんだな」




登記の欠缺を主張する第三者がこれを主張するにつき正当の利益を有しない場合とは、当該第三者に、不動産登記法第四条第五条により登記の欠缺を主張することの許されない事由がある場合、その他これに類するような、登記の欠缺を主張することが信義に反すると認められる事由がある場合に限るものと解すべきである。




国が国税滞納者に対する滞納処分として登記簿上滞納者名義の不動産を差し押えた場合において、差押の約三年六箇月前に右不動産の譲受人から移転登記の未経由にかかわらず該不動産がその所有に属する旨の財産申告を受け、これを前提として財産税を徴収した事実があつても、それだけでは、国は、登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する第三者にあたらないとはいえない。(最判昭和31年4月24日)




胡桃「次、5はどうかしら?」

建太郎「間違いだな。この場合は対抗関係になる」




自作農創設特別措置法第三条に基づく農地の買収処分により国が所有権を取得した場合において、その所有権の取得については、民法第一七七条の適用がある。(最判昭和39年11月19日)




胡桃「そうね。ということで答えは?」

建太郎「2だな」



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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 20:56| 行政書士試験過去問