2019年08月01日

行政法1−4 行政法総論 行政書士試験過去問 2010年問9 #行政書士試験

次の記述のうち、正しいものはどれか。




1、通達は、法律の根拠なく、発令、改廃することができるが、それに際しては、官報による公示や関係機関の事務所における備付け、その他、適当な方法により、国民に対して公にしなければならない。




2、通達は、国民の法的地位に影響を与えるものではないが、特段の理由もなく、通達に反する処分については、平等原則に違反するものとして、相手方たる国民との関係においても違法とされる余地がある。




3、通達は、国民の法的地位に影響を与えるものではないから、その発令、改廃行為は、行政事件訴訟法第三条1項の公権力の行使及び国家賠償法第一条1項の公権力の行使にあたらない。




4、通達によって、示された法令解釈の違法性が訴訟において、問題となった時、裁判所は、行政庁の第一次的判断権尊重の原則により、それが重大明白に誤りでない限り、当該通達で示された法令解釈に拘束される。




5、通達は、上級行政機関が下級行政機関に対して発するものであるから、上司たる公務員が部下たる公務員に発する職務命令とは別のものであり、通達に反する行為を行った公務員の職務上の義務違反との間には、直接の関係はない。







建太郎「むむっ……。簡単そうに見えて細かくないか」

胡桃「通達に関する基本がわかっていれば簡単に解ける問題だわ」

胡桃「まず、1はどうかしら?」

建太郎「通達は、法令解釈を統一するために、上級行政機関が下級行政機関に対して発するものだよな」

胡桃「そうね」

建太郎「つまり、国民に向けられたものじゃないから、公にする必要はないと」

胡桃「そうね。国民は通達に拘束されないということね。2はどうかしら?」

建太郎「これは、正しいのかな」

胡桃「正しいわ。通達が出ているなら、誰に対しても、通達に則した対応をすべきということね。さもなければ、平等とは言えないわ」

建太郎「なるほどな」

胡桃「3はどうかしら?」

建太郎「正しいかな」

胡桃「ぶー。間違いよ」

建太郎「えっ? 国民を拘束しない以上、公権力の行使とは言えないだろ」

胡桃「行政事件訴訟法上は、公権力の行使とは言えないわ」

建太郎「おう」

胡桃「だけど、国家賠償法上は、公権力の行使に当たると考えられていて、通達の解釈が間違っていて、それによって損害を被った場合は、国家賠償法に基づいて、損害賠償請求をすることができると解されているのよ」

建太郎「行政事件訴訟法と国家賠償法とでは違うということだな」

胡桃「4はどうかしら?」

建太郎「裁判所は拘束されないよな」

胡桃「これは判例だから覚えるのよ」




昭和三五年三月八日付衛環発第八号都道府県等衛生主管部局長あて厚生省公衆衛生局環境衛生部長通知は、宗教団体の経営する墓地の管理者は埋葬等を請求する者が他の宗教団体の信者であることのみを理由としてその請求を拒むことはできないからこの趣旨にそつて事務処理をすべき旨を求めた行政組織内部における命令にすぎず、従来の法律の解釈、事務の取扱を変更するものではあるが、墓地の管理者らにあらたに埋葬の受忍義務を課する等これらの者の権利義務に直接具体的な法律上の影響を及ぼすものではなく、墓地の経営者からその取消を求める訴を提起することは許されない。(最判昭和43年12月24日)




建太郎「これは通達の取り消しを求める訴えは提起できないという判例だろ」

胡桃「そうね。この判例の中で、裁判所は次のように述べているのよ」




通達は、元来、法規の性質をもつものではないから、行政機関が通達の趣旨に反する処分をした場合においても、そのことを理由として、その処分の効力が左右されるものではない。また、裁判所がこれらの通達に拘束されることのないことはもちろんで、裁判所は、法令の解釈適用にあたつては、通達に示された法令の解釈とは異なる独自の解釈をすることができ、通達に定める取扱いが法の趣旨に反するときは独自にその違法を判定することもできる筋合である。(最判昭和43年12月24日)




建太郎「うん。裁判所は拘束されないということだな」

胡桃「次、5はどうかしら?」

建太郎「通達に反する行為を行えば、公務員の職務上の義務違反に問われる可能性はあるという話だったよな」

胡桃「そうね。ということで答えは?」

建太郎「2だな」


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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 20:02| 行政書士試験過去問