2020年02月12日

行政法1−17 行政法総論 行政書士試験過去問 2009年問8

次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、土地利用を制限する用途地域などの都市計画の決定についても、侵害留保説によれば、法律の根拠が必要である。

2、広範な計画裁量について、裁判所による十分な統制を期待することができないため、計画の策定は、行政手続法に基づく、意見公募手続きの対象となっている。

3、計画策定権者に広範な裁量が認められるのが行政計画の特徴であるので、裁判所による計画裁量の統制は重大な事実誤認の有無の審査に限られる。

4、都市計画上の土地利用制限は、当然に受忍すべきとは言えない特別の犠牲であるため、損失補償が一般的に認められている。

5、多数の利害関係者に不利益をもたらし得る拘束的な計画については、行政事件訴訟法において、それを争うための特別の訴訟類型が法定されている。



建太郎「むむっ……。これはちょっと難しくないか?」胡桃「1はどうかしら?」
建太郎「侵害留保説ということは、要するに、国民の権利自由を権力的に制限したり侵害する行為については、法律の根拠が必要だとする説だよな」
胡桃「するとどう考えたらいいか分かるわね」
建太郎「用途地域などの都市計画の決定についても、法律の根拠が必要ということになると」
胡桃「そうね。正しいということになるわ。2はどうかしら?」
建太郎「行政計画の策定は、意見公募手続きの対象ではないよな」

行政手続法
(意見公募手続)抜粋
第三十九条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。

胡桃「そうね。3はどうかしら?」
建太郎「これは判例の問題か?」
胡桃「そうよ。判例を確認するわよ」

都市施設の規模,配置等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,政策的,技術的な見地から判断することが不可欠であるといわざるを得ない。
そうすると,このような判断は,これを決定する行政庁の広範な裁量にゆだねられているというべきであって,裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては,当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提として,その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合,又は,事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと,判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとすべきものと解するのが相当である。(最判平成18年11月2日)

建太郎「つまり、重大な事実誤認の有無の審査に限られる。わけではないということだな」
胡桃「そうね。ということで間違いだわ。次、4はどうかしら?」
建太郎「これは間違いだな。判例だっけ?」
胡桃「判例を確認するわよ」

一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えて特別の犠牲を課せられたものということがいまだ困難であるから,上告人らは,直接憲法29条3項を根拠として上記の損失につき補償請求をすることはできないものというべきである。(最判平成17年11月1日)

建太郎「うん。つまり、損失について、補償請求をするには、一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えて特別の犠牲を課せられた場合でなければならないということだな」
胡桃「そうね。5はどうかしら?」
建太郎「そんな規定はない?」
胡桃「ないわね。ただ、計画の決定が抗告訴訟の対象となる場合があることは押さえておいてね」

市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。(最大判平成20年9月10日)

建太郎「おう。テキストで確認済だな」
胡桃「ということで、答えは?」
建太郎「正しいのは1だな」




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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 20:02| 行政書士試験過去問