2020年04月09日

行政法1−34 行政法総論 行政書士試験過去問 2008年問26

次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、保健所職員が行う飲食店に対する食品衛生法に基づく調査の手続は、行政手続法の定めるところに従って行わなければならない。

2、税務調査については、質問検査の範囲、程度、時期、場所等について、法律に明らかに規定しておかなければならない。

3、警察官職務執行法2条1項の職務質問に附随して行う所持品検査は、検査の必要性、緊急性があれば、強制にわたることがあっても許される。

4、自動車検問は、国民の自由の干渉にわたる可能性があるが、相手方の任意の協力を求める形で、運転手の自由を不当に制約するものでなければ、適法と解される。

5、税務調査の質問検査権限は、犯罪の証拠資料の収集などの捜査のための手段として行使することも許される。



胡桃「これは簡単だわね」
建太郎「おう。簡単だな」
胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「間違いだな。行政手続法は適用除外となっている。次の条文のとおりだ」

行政手続法
(適用除外)抜粋
第三条 次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第四章の二までの規定は、適用しない。
3 第一項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第六章までの規定は、適用しない。

胡桃「そうね。次、2はどうかしら?」
建太郎「これはおかしいと常識でも分かるな」
胡桃「判例を問う問題だから、次の判例を押さえておくのよ」

質問検査の範囲、程度、時期、場所等実定法上特段の定めのない実施の細目については、質問検査の必要があり、かつ、これと相手方の私的利益との衡量において社会通念上相当な限度にとどまるかぎり、権限ある税務職員の合理的な選択に委ねられている。(最決昭和48年7月10日)

建太郎「OK」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「間違いだな。強制にわたることは許されないと。次の判例のとおり」

職務質問に附随して行う所持品検査は所持人の承諾を得てその限度でこれを行うのが原則であるが、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、たとえ所持人の承諾がなくても、所持品検査の必要性、緊急性、これによつて侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況のもとで相当と認められる限度において許容される場合がある。(最判昭和53年9月7日)

胡桃「そうね。強制にわたらない限りとなっていることを確認しておくのよ」
建太郎「OK」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「正しいな。判例も次のように述べている」

警察官が、交通取締の一環として、交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通違反の予防、検挙のため、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法である。(最判昭和55年9月22日)

胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「間違いだな。判例も次のように述べている」

法人税法(平成13年法律第129号による改正前のもの)156条によると,同法153条ないし155条に規定する質問又は検査の権限は,犯罪の証拠資料を取得収集し,保全するためなど,犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使することは許されないと解するのが相当である。(最決平成16年1月20日)

胡桃「そうね。ということで答えは?」
建太郎「正しいのは4だな」




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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 19:20| 行政書士試験過去問