2020年08月04日

行政法1−55 行政手続法 行政書士試験過去問 2007年問26

次の判決文を読んだうえで、選択肢の正誤を答えよ。



指導要綱の文言及び運用の実態からすると、本件当時、被上告人Yは、事業主に対し、法が認めておらずしかもそれが実施された場合にはマンション建築の目的の達成が事実上不可能となる水道の給水契約の締結の拒否等の制裁措置を背景として、指導要綱を遵守させようとしていたというべきである。被上告人YがXに対し指導要綱に基づいて教育施設負担金の納付を求めた行為も、被上告人Yの担当者が教育施設負担金の減免等の懇請に対し前例がないとして拒絶した態度とあいまって、Xに対し、指導要綱所定の教育施設負担金を納付しなければ、水道の給水契約の締結及び下水道の使用を拒絶されると考えさせるに十分なものであって、マンションを建築しようとする以上右行政指導に従うことを余儀なくさせるものであり、Xに教育施設負担金の納付を事実上強制しようとしたものということができる。

指導要綱に基づく行政指導が、武蔵野市民の生活環境をいわゆる乱開発から守ることを目的とするものであり、多くの武蔵野市民の支持を受けていたことなどを考慮しても、右行為は、本来任意に寄付金の納付を求めるべき行政指導の限度を超えるものであり、違法な公権力の行使であるといわざるを得ない。(最判平成5年2月18日 民集 第47巻2号574頁)



1、事業主に対して、教育施設負担金の納付を求める行政指導の内容を指導要綱によって定めることは、行政指導の限度を超える違法な公権力の行使である。



2、Yは、Xが行政指導に従わない場合は、水道の給水契約の締結の拒否等の制裁処置を背景として、行政指導に従うことを強制することが許される。



3、事業主に対して、教育負担金の納付を求めること自体は、事業主による納付の任意性を損なうことがない限り、違法ということはできない。



4、教育施設の充実に充てるために、事業主に対して、寄付金の納付を求める場合は、行政指導によるのではなく、条例を制定して行わなければならない。



5、教育施設負担金の減免の前例がない場合は、Yは、ほかの事例との平等を期するために、Xの懇願を拒絶しなければならない。







胡桃「これも簡単だわね」

建太郎「むむっ……。長い問題文だな」


胡桃「まず、問題に掲げられている判決文が、何を意味しているのか確認するわよ」

建太郎「一言でいえば、市がマンションを建築しようとする事業主に対して指導要綱に基づき教育施設負担金の寄付を求めた行為が違法な公権力の行使に当たるということだよな」

胡桃「そうね。それを踏まえたうえで、選択肢の正誤を一つ一つ確認するわよ。1から」

建太郎「1は正しいな」

胡桃「ぶっぶー! 間違いよ」

建太郎「えっ」

胡桃「文章をよく読みなさいよね」

建太郎「ええっと……。あっ、指導要綱によって定めるじゃないな。指導要綱によって強制することが違法だということか」

胡桃「そうよ。指導要綱によって定めること自体は、違法ではないのよ。2はどうかしら」

建太郎「判決の趣旨からすれば、そんなことは許されないよな。それに次の条文がある」



行政手続法

(許認可等の権限に関連する行政指導)

第三十四条 許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する行政機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。



胡桃「3はどうかしら」

建太郎「正しいな。判決文の趣旨に沿っている」

胡桃「4はどうかしら」

建太郎「そんなことは述べていない」

胡桃「5はどうかしら」

建太郎「判決文の趣旨からすれば、間違いだな」

胡桃「ということで答えは」

建太郎「正しいのは3だな」


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posted by 実務で学ぶ資格試験プロジェクトチーム at 18:58| 行政書士試験過去問